障害を持っているけれど、社会との繋がりを持っていたい、少し症状が落ちついてきたので、少しずつ仕事を始めてみたい。
そんな人のために、今回は障害者に合う仕事場について紹介していきます。
A型作業所
障害を持たない人は「A型作業所って何?」という人がほとんどでしょう。私も病気になる前はそんな施設があることを知りませんでした。
A型作業所について紹介します。
一般就労が難しい障害者のための福祉施設
正式名称は「就労継続支援A型事業」と言います。
身体、精神、知的、難病などの障害があり、主治医から事業所の利用が許可された人が利用することができます。
一般就労はまだ難しいけれど、働きたいという意欲がある人が、雇用契約を結んだ上で一定の収入を得て働くことができる施設です。
A型作業所の仕事内容
A型作業所の仕事内容は本当にたくさんあります。
パソコンを使用した事務系の仕事、清掃業務、調理補助、接客業、webデザインなど専門的な作業をするA型作業所もあります。
人によって仕事の向き不向きがありますので、「自分はどの仕事なら続けていけそうか」ということをよく考えて作業所を探しましょう。
雇用主と契約するので賃金が発生する
A型作業所は雇用主と契約するので、パート・アルバイト扱いですが賃金が発生します。基本的にA型作業所の勤務日数は週5日、就業時間も4~6時間と短いものがほとんどです。
また賃金はお住いの県の最低賃金であることがほとんどで、祝日無し、欠勤早退無しでも7~9万円の収入がほとんど。
この金額で生活が成り立つことはできませんが、一日中ベッドで過ごして、動くことも出来なかった人にとっては、少額の賃金でも達成感があります。
やはり会社や社会に貢献できる、という体験は大切なものだと実感します。
退職した際、失業保険がもらえる
もしも何らかの事情、病気が悪化して退所することになった、障害者雇用や一般就労に移ることになった、という場合、失業保険がもらえます。
病気で不安になっているときに、お金の不安ものしかかってくるとさらに症状が悪化するおそれもあります。失業保険でお金の不安が少しでも解消できるので、いくらか安心できるのではないでしょうか。
またハローワークを通して障害者雇用や一般就労の内定を頂いた場合、再就職手当といって、簡単に言えば「祝い金」のようなものが頂けます(条件あり)。
B型作業所には失業保険がありませんので、(理由は後述)きちんと契約を結んだA型作業所に通所することで、このようなメリットがあります。
B型作業所
就労継続支援B型作業所もA型作業所と同じく、身体や精神などの障害で、医師の許可がおりた人が利用することができる施設です。
「週5日働く自信がない」「まだ4時間作業するのもしんどい」という人は、B型作業所をおすすめします。
B型作業所はA型作業所と少し異なる施設なので、A型作業所とB型作業所、どちらが自分に合っているのかを考えて決めましょう。
週1回の通所から可能
A型作業所が基本的に週5日通所するのに対し、B型作業所は週1日の通所からでも構いません。その通所日も体調が悪い、という場合は欠勤しても特に問題はありません。
A型作業所よりもさらにゆるい就業規則なので、まだ体調が万全ではないけれど、家に引きこもるよりも、少しは外に出て働きたい、という人のための「リハビリ施設」と考えてもいいでしょう。
B型作業所の中には送迎バスがあり、送り迎えをしてくれる作業所もあります。
B型作業所の仕事内容
B型作業所の仕事内容は、簡単な商品の組み立て作業、梱包、クリーニング工場での作業やお菓子の製造などがあります。
私の住居の近くにあるB型作業所では、「イラストを描く」という作業所もありました。かなり惹かれる業務内容だったのですが、B型作業所ということで諦めざるを得ませんでしたが……。
「非雇用型」
B型作業所はA型作業所と違い、雇用契約を結びません。よって、もしB型作業所を辞めたとしても失業保険は出ませんし、最低賃金よりも低い金額で通所し作業をすることになります。
「賃金」ではなく「工賃」
上記でも紹介したように、B型作業所は雇用契約を結びませんので、「賃金」ではなく「工賃」と呼ばれます。
いわば内職作業といったところでしょうか。
2019年度の平均月額工賃は1万6369円です。驚かれた人も多いでしょうが、B型作業所の場合、ほとんどこれくらいの工賃しかいただけません。
B型作業所はA型作業所よりも障害が重く、労働することが難しいという人たちが通う場なので、負担の少ない作業を任せられることがほとんどです。
B型作業所の目的は、「規則正しい生活を送るため」「日常の活動の場」「いずれB型作業所ではない場所で働くための訓練の場」です。
「自立した生活をできるようにする」という場ではないので、賃金を考えている人は、A型作業所や障害者雇用などを検討するようにしましょう。
【番外】就労移行支援
A型作業所、B型作業所と少し違いますが、就労移行支援というサービスもあります。どんな場所か、紹介します。
就職に向けたサポートを受ける場所
就労移行支援とは簡単に言えば「就職のための訓練の場」と考えていいでしょう。A型作業所やB型作業所のように賃金は発生しませんが、学校のように通って、就労に向けたトレーニングを行う福祉サービスの一環です。
スキルアップすれば、採用をいただける機会も増えるので、まずは就労移行支援を利用してから仕事を探す、という方法もあります。
パソコンの基本操作
いまやパソコンの基本操作は必須事項。Word、Excel、PowerPointなどの使い方を勉強します。CS検定のような資格にチャレンジして合格すれば、履歴書の資格欄に記入することもできますね。
ビジネスマナーについて
就労経験がない人は、ビジネスマナーがよく分からない、という人もいるでしょう。就労移行支援はビジネスマナーについても勉強し、将来就職した先でも失礼にあたらないように、マナー指導を行います。
就労後もサポートを受けられる
就労移行支援を利用し、就職が決まった! という場合でも、そこで終わりではなく、定期的に支援所と連絡を取って職場に定着できるようサポートをしています。
利用者も、悩みごとや困ったことがあった場合、支援員に相談してどのようにすればいいのか、指示をしてもらうことができます。
まとめ
障害者の就労先として、A型作業所、B型作業所、就労移行支援について紹介しました。
本当は他にも障害者雇用、一般就労などがありますが、まだフルタイム働く自信がない、という人のための記事ですので、今回は省略しました。
私はA型作業所に3年半、お世話になりましたが、とても居心地の良い施設で、辞めるのが本当に惜しかったと今でも思っています。
「自分がどこに向いているのか分からない」という人は、家族や通院している医師に相談して、就労先の参考にしてみてください。
よい就労先が見つかることを願っています。
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